2015.11.07
コンペ授賞式に出てみた!その二。

授賞式は午後4時40分から、それ迄会場では、午後2時から協会主催の講演会が開かれる予定になっている。
福岡空港を11時のJALで出発、真っ直ぐ会場の有るお茶の水駅へ向い、会場に到着したのは午後2時少し回った頃。授賞式には早い時間とは思いながらも講演会も聴いてみようと受付のある方へ向かった。
受付には品格あるスーツ姿の白髪女性が一人テーブルの前に座っておられ、名前告げると「今始まったばかりなのでちょっと待って下さい」と一枚の名刺を渡された。
福岡から参加されているブロック協会の会社で、エクステリア建材を扱われている社長さまの名刺。受賞の電話連絡受けた2日後位に営業の方が私のオフィスに来てくれていた。有難くも受付に私が来たらと言付けをされていたようだ。
その時、丁度会場の扉が開き、名刺の社長さまが受付に出て来られそこで名刺交換を行った。お祝いの言葉を頂き、直ぐ用事が有るのでと会場を慌てるように社長さまは去って行かれた。
会場では大分大学、菊池教授の講演が始まっていて関係者の方に席まで誘導して頂いた。私の席は入口から1番奥の前から二番目。席には大きく名前が表示して有り、胸に付ける赤いリボンと大きな紙袋が置いてあった。
講演が終わり、こちらに向かって来る人がいた。吉田さんだ!私が昔、ブロック建築をするきっかけを頂いた唐津ブロック協会の吉田さん。
まさか!今回のコンペ主催者全国コンクリートブロック協会と、吉田さん達が所属されている型枠ブロックのメンソーリー協会と一緒だったという事が、この時に初めて私の中で繋がった。
実は、協会の九州支部総会で数年前、吉田さん達の計らいにより福岡市内のホテルに基調講演の講師として呼ばれた事があった。彼らも何度か、うちのオフィス梅の間に見学に来られていたのだ!今回、選んでくれた彼らも私も、この時まで全く気が付いて無かったのである。吉田さんも今回受賞者の名前を見て若しかしてと思ってくれてたようだ。
吉田さんは「今回の受賞者は誰一人ブロック建築を造った事の無い人ばかりですよ」と教えてくれた。そう言えば他の入賞作品は全て外構工事とブロック建物を組合せたもので、エクステリア部材を含めた提案こそ要項に無いこのコンペの趣旨である事が改めて理解できた。
協会を構成している会社は皆さん、エクステリアを主に扱っている建材屋さんなのである。394件の応募があったというのに建築事務所からの入賞って私と三重県から来ていたタカセさんの2人だけだったと後からわかった。
吉田さんは私が九州でブロック建築を実際に建てている事を主催者側に伝えて来ます言い残し、後で、と硬く握手を交わし別れた。そして直ぐに授賞式は始まった。
受賞者は最優秀賞と優秀賞で4人、入賞者が10名、14名のうち欠席者2名で、私は最後から2番目に呼ばれ、久し振りに有難い表書状と名前入りの記念の盾を頂いた。
この名前入木製盾は裏板がT字に出っ張て畳めない、椅子の上に置いてあった紙袋の大きかった理由に納得するが、この盾の入った大きな紙袋はこれからずっとオフィスに帰り着くまでつきまとう運命となる。
表彰式の最後にご挨拶されたのは当コンペの審査員長を務められた小山工業高校の建築学科の先生。特に今回は女性の受賞者が多かった事、これが今の世相を表しているような事を述べられた。
そして私の自業自得による大問題が発生!受付で名刺交換した時、自分の名刺が殆ど入っていない事に気がついていた。これはビジネスマンとしては失格である。NPOの名刺が6枚に本業の名刺が3枚しか無い!何しに此処まで来たのと自問自答する事になるが後の祭り。
表彰式が終わって懇親会へと突入。吉田さんは有難い事に精力的に主催者幹部の皆さんへ私の事を紹介してくれたが、もう名刺の無い私はNPOの名刺を渡すことに!普段であればオフィスの名刺よりこちらの名刺の方が受けが良かったりするが、今回は違う!その度に何のために此処まで来たのと落胆する。吉田さんにご紹介頂いた数人の方に、あんたの案が一番良いじゃんと言って頂いた。何とか実現したいねと言う言葉まで、お世辞かも知れないがとても嬉しかった。
と言いながらも「今回のブロック造によるプロトタイプのスモールアトリエをセルフビルドキットとして売り出したら面白くないですか?」とブロック建築に取組みたいと言われていた幹部の方にはこちらから言ってしまった。
構造計算を行い、基礎耐力はオプションとして売出してもそれ程高額にはなりませんよ!と言う具合にしっかり営業も忘れなかった。
それともう一つ、ブロック造の建物を普及させる為には、「私の好きなブロックの有る風景」と言った写真コンテストを一般募集されたら面白いですよと勧めた。これはNPOの地域興しイベントで、地域の好きな風景を地域の人がみんなで探し歩いてみる、そんな仕掛けとして何度か行った経験から来るアイデアだ。そうすれば協会のカレンダー作りの苦労も軽減されるし、一般の人達がブロックに興味を持って頂くのに一番効果的で早道である事も添えた。
他の受賞者と話をする機会は無かったので、懇親会も終わった頃ようやく受賞者の溜まっている席へ行き、少しだけお話しする事が叶った。残念ながらその時には名刺はゼロ、首から下げていた名刺ホルダー内のNPO名刺までも無い始末である。
名刺が無くなった失礼のお詫びと、御礼を兼ねてオフィスのパンフと今回の作品画像と名刺にコメントを添え、お会いできた方々へ礼状を出す事にした!
これでコンペ授賞式報告は終わり。
その日の宿泊は、阿佐谷ジャズストリートで有名な阿佐ヶ谷駅前。阿佐ヶ谷ジャズバー訪問記へと気が向いたら続く。

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