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2023.11.07 一年点検による手直し願い!
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まだ竣工一年なのに外部に足場が建ったのは、私達監理者側からの指示によるものです。

一年点検で一部外壁塗装材に小さな剥がれ箇所が見られ、その原因を探る為足場を掛けさせて頂いきました。
使用材料は、コンクリート打放し専用の保護塗料で、私達でも20年以上前から利用させて頂いている保護塗料。
打放し建物では最も信頼していた塗料なのに何故?との疑問が過り、徹底的にその原因を探るのと、その後の対応をどうするかを決める為の作業に必要との判断からです。
どうやら、下地処理の職人さんと仕上げ塗装の職人さんが別の会社で、下地処理材の配合割合不良による現象のようでした。
下地処理材料自体は信頼できる商品を使われていた事は確かでしたが、配合不良個所が何処まで至っているかは不明。
原因が判った事で、足場のある部分にては塗膜の引っ張り強度試験を行い、一部に見られた強度不足部分の補修を行って頂きました。

一般的に工事監理と工事管理を間違える方が多いのですが、職人さんの手元状況や施工精度を指示できるのは、実際に工事を発注する建設会社さんの行う工事管理の仕事で、此処は監理者が職人さん達へ直接言える事では無いのです。

私達が出来る事は、設計図面通り、仕様書通りの施工がなされているか?かを判断するのですが、今回はとても良い勉強になりました。天候の問題や工期の問題が重視される一番重要な時期での最終仕上げの為の下地処理。重点監理箇所とするのがとても大切な事だと今回思いました。

職人さん達の手元まで眺めて管理するのは難しいでしょうが、概ね後から不具合が起きるのはそんな部分。
如何に信頼できる職人さん達との付き合いが大切かが、そのまま建設会社の善し悪しに結びつきます。

どんなに良い建物が完成しても、1箇所でもそのような不具合が生じると、なんだ欠陥建築じゃ無いかとのレッテルを貼られてしまいかねない事。根本的な原因を探り、其の後の対処も含め責任持って行う姿勢。会社にとっては普通なら収益には直結しない余計な仕事ですが感謝の念を持ち、そんな事を大切に思う姿勢を今後も保っていきます。


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